F.ゴーツ写真展「WALLS walls-0.0.1」
< http://ncw.naraphoto.net/gallery.html>
会期:12月10日(月)〜12月29日(土)10:00〜18:00(日・祝休廊)
会場:ぎゃらりー・きょうばて(奈良市中辻町80−8 ナガノカメラワーク 2F)
コラボレーション 2007年12月22日(土)
15:00〜17:00北東 章 コントラバス・ソロ
コンサート
近年、長方形のフォーマットに違和感を覚える。ほとんどの映像はなぜ長方形なのか。
紙でもディスプレーでも長方形になっている。正方形というのはまれである。
35mmカメラの長方形のファインダーも異様に見える。ファインダーを正方形の視野に
して、フィルム面も中央の正方形部分だけが感光するスクエア・カメラに改造した。
24mm×24mmの小さなネガはフィルムの情報量を減らすことになるが、その代りに独特
な視線を手に入れた。正方形にプリントすると、中判で撮影した映像と似てはいるが粒
状性やディテール以上に視線の差が画面の上に著しい違いをもたらした。
私の写真行為の中で、中核をなすモチーフは壁面だ。建物の壁、崖、石垣、高架橋、
地面。壁面には様々な表情がある。年月を経て風雪を受け汚れ傷み、それに耐え、ある
いは修繕・維持され、それが更に汚れ、傷み、壊れる。壁面に刻まれた歳月の刻印、修
復の繰り返しの跡......
壁は隔てることに存在意義がある。そうして、その表面には水道管、ガス管、電線管、
配水管、蔦などの植物など隔離とは別のテーマを持ったものが付属する。それらも壁面
と一体になってテクスチャーを形づくる。そうした壁に私は件のスクエア・カメラを持
って通う。
人間の視覚や感覚には様々な先入観がある。その先入観を越えると、また違った世界
が見えて来る。それを体験し、実際の経験に即して感じ、考え、先入観の呪縛から自由
になっていく取り組みは、その成果がアートとなって返ってくるであろう。
<略歴> 1953年東京生まれ(54歳)、2006年京都造形芸術大学卒、大阪在住
会社員を続けながら写真を続けている